春浅い遍路道 体験型「くす供養」も満喫

 きょうは朝から青空が広がり、第1番札所・霊山寺から第6番札所・安楽寺まで、気持ちよく歩くことができました。最高気温は16度まで上がり、歩いているとザックを担いだ背中が汗ばんできて、途中で長袖の上着を脱いだほどです。この暖かさで今年は遅れがちだった梅の開花が一気に進んだようで、第3番札所・金泉寺では青空をバックに淡いピンク色の梅の花がよく映えていました。

第3番札所・金泉寺でみかけた梅の花。

 宿泊先は「ろくばんさん」の安楽寺です。温泉山の山号でわかるように温泉で有名な宿坊ですので、宿に入ってまずひと風呂浴びました。そのあとは夕方のお勤めが独特の「くす供養」というもので、これが非常にいい経験になりました。安楽寺の宿坊がお遍路経験者に人気がある理由がよくわかりました。

 内容は他言無用で撮影も「ご遠慮ください」とのことでしたので、詳しくはお伝えできませんが、これはもはやテーマパークといってもいいような体験型のお勤めでした。外からお参りする本堂や大師堂の奥にあんな仕掛けがあるとは。江戸っ子なら「お釈迦さまでも、ご存知あるめえ」とでも言いたくなるようなエンターテイメント性ですねー。宿坊の宿泊者を対象にしたお勤めとのことなので、ぜひ安楽寺に宿泊してご自身で体験してみることをお勧めします。

 本堂や大師堂に安置されていた仏像の多くが、現代の仏師、松本明慶さんの作品とのことでした。大師堂のお大師さまも松本さんの作品だそうです。テレビで松本さんの活躍ぶりをみたことがありますが、実にいろいろなタイプの仏様を制作されていて驚きました。「くす供養」で拝見した十三仏の石仏や、石に刻まれたお不動さまのレリーフは、とりわけ印象に残りました。

第6番札所・安楽寺の大師堂に安置された松本明慶作の弘法大師像。

 そのあとにいただいた夕食も丁寧に作られた料理ばかりで、とてもおいしくいただきました。あすも朝から歩き、第10番札所・切幡寺まで進む予定です。きょうも早寝します。

 [歩いた日:2018.3.3]

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