空海降誕祭の室戸岬を逍遥

  今回の歩き遍路は、弘法大師空海が父親の拠点だった香川・善通寺から修行の地であった徳島・太龍寺山や室戸岬に通うときに歩いたと言われるルートをたどってみました。仏教民俗学の泰斗とされる五来重博士は著書「四国遍路の寺」のなかで、焼山寺道から神山に降り、そこから山越えをして現在の慈眼寺から鶴林寺あたりを通って太龍寺山に至り、さらには海岸線を出て日和佐から室戸岬に至るルートだったとの見解を述べています。

 そう考えると、きょう6月15日に歩いた室戸市佐喜浜の民宿「徳増」から室戸岬まで約16kmとそれに続く第24番札所・最御崎寺や第26番札所・金剛頂寺といった古寺への参拝は、今回の歩き遍路のファイナルでもありました。

 しかも、6月15日は弘法大師空海が生まれたとされ、真言宗の寺々がお祝いの法要を行う降誕祭です。私が訪れた最御崎寺では檀家の人たちから柏餅とお茶のお接待を受け、第25番札所・津照寺では甘茶をいただき、宿坊に泊まった金剛頂寺では夕食で宿泊客4人全員で一つのテーブルを囲み、食べきれないほどのご馳走が振舞われました。空海ゆかりの室戸岬を訪ねるには絶好の一日だったように思います。

  佐喜浜方面から室戸岬に向かうと、岬の手間に空海が虚空蔵求聞持法を修したと言われる御厨人窟があります。その手前で立ち寄った室戸ジオパークの説明板によると、空海が修行した当時、御厨人窟は海岸線に面していました。ところが、それから1200年の間に室戸岬は地下のプレート運動によって6mも隆起したので、現在の御厨人窟は国道55号線に面しています。正直なところ、御厨人窟の前に立ってみても、危険防止のため洞窟内部には入れませんし、背後には自動車の騒音が響いていて、空海の時代を偲ぶことはなかなか難しい感じです。

御厨人窟近くの海岸線。荒々しい風景が空海の修行時代を偲ばせてくれます

 でも、御厨人窟のすぐ近くの遊歩道から海辺に出てみると、雰囲気は一変します。修行中の空海が体を清めたと伝わる池もあり、何より黒潮が直接ぶつかる室戸岬の荒々しい波音がほかの雑音をシャットアウトしてくれます。雲の多い一日でしたが、このときばかりは少し日が差してくれました。

[歩いた日]2018.6.15

[歩いた距離]29.8km  38158歩

 

Share

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Translate »