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2回目の焼山寺道 最後にバテバテ

  午前6時30分に第11番札所・藤井寺から歩き始め、第12番札所・焼山寺に着いたときには午前11時50分になっていました。所要時間は5時間20分。健脚5時間、並足6時間と言われる焼山寺道なので、まあ、平均的なペースだったのではないでしょうか。

  2年ぶり2回目の焼山寺道なので、ペース配分に気をつけたつもりですが、左右内の集落まで急降下して、再び焼山寺に向けた最後の急登に取り掛かってしばらくしたとき、急に足が進まなくなってしまいました。仕方がないので、途中のベンチに腰を掛けて15分くらい休憩をとり、気を取り直して焼山寺にたどり着きました。

一本杉の弘法大師像。焼山寺道のシンボル的な存在です。

  高野山大学の講義「遍路学」のテキストを読んでいたら、遍路道を黙々と歩く行為は、単純なことを繰り返す密教の「行」とよく似ている、との指摘がありました。要するに、どちらも自分を仏とかオダイシサマといった信仰の対象と一体化させていく行為だというのです。

 これを私流に解釈すれば、例えば、ランナーズハイのような状態に近いのではないか、と思います。というか、ランナーズハイ状態が入り口で、その先に何かがあるのかもしれませんが、そこのところは私の実感を超えています。

  こうしたランナーズハイのような状態は、登山をやっていても起きることがあります。トランス状態といえば、大げさ過ぎると思いますが、一見単純に見える行為を徹底的に繰り返すうちに、疲れているはずなのに不思議と足がどんどん前に進んで行くような状態が起きることがあります。登山好きの人やほかの歩き遍路に聞いても、同じような感想を言う人がいたので、私だけの感覚ではないと思います。

 焼山寺道では、最初のうちは快調に飛ばしたのですけど、一本杉からの急降下とそれに続く焼山寺への急登で私の心肺能力と脚力がオーバーヒートしてしまったようで、何かと自分を一体化するところまで気持ちが入り込むことはありませんでした。10kg近いザックの重さも効きました。

第12番札所・焼山寺の手水舎では、苔の緑が鮮やかでした。

 焼山寺では、五来重博士が「四国遍路の寺」で強く推薦していた奥の院に行こうかどうか迷いました。焼山寺から奥の院までは、往復1時間半の急登と急降下です。結局、バテた状態で焼山寺から阿川まで玉ケ峠を越えて10km以上歩くことを考え、きょうは断念しました。今度は焼山寺の宿坊がオープンしている時期に宿坊に泊まり、再度トライしたいと思います。

 玉ケ峠ルートは、掲載されていないガイドブックもあって歩き遍路の利用者は神山ルートよりもだいぶ少ないようですが、古道の趣があってなかなか味わい深いルートです。宿泊先の植村旅館は、料理が美味しい、家庭的旅館なので、もっと歩き遍路に利用されてもいいのではないでしょうか。洗濯もおかみさんがやってくれました。

宿泊先の阿川は鮎喰川の渓流美に囲まれた集落です。

[歩いた日]2018.6.9

[歩いた距離]29.9km 40309歩

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