3カ月ぶりに歩き遍路を再開しました。今回は路面電車のとさでん文珠通駅からスタートです。前回は路面電車の車内に愛用のカメラを置き忘れ、とさでんの運転士さんらみなさまに大変お世話になった場所でもあります。
文珠通駅で久しぶりに四国遍路の白衣(びゃくえ)を身に付け、高知市の名刹として知られる第31番札所・竹林寺を目指して五台山を登っていきます。登り口がちょっとわかりにくいのですが、先日ご紹介した地図アプリ「YAMAP」のGPS機能を使ったら、自分の現在位置と登り口を正確に表示してくれたので、まったく迷いませんでした。文明の利器は偉大です。
五台山は江戸時代から土佐藩が植生を保護していたため、太い幹を持つ広葉樹がこんもりとした緑を形成しています。そんな森を15分ほど登っていくと、牧野植物園に出ました。遍路道は牧野植物園をすり抜けるように続いていて、庭園を散歩しているように気持ちよく歩けます。五重塔が見えてきたと思ったら、まもなく植物園のゲートを通って竹林寺の仁王門前に飛び出しました。
竹林寺には美しい苔の庭がありますが、まだ春が浅いためなのか、ちょっと苔に元気がない感じでした。参拝客も少なく、静かにお参りできました。
ここから第32番札所・禅師峰寺までは昨年4月末に団体である歩いた道筋です。高知空港に続く自動車道路の高架がだいぶできてきましたね。禅師峰寺から眺める太平洋と桂浜はいつ見ても絶景ですね。きょうは空気が澄んでいたのか、波の動きまで見下ろせるほど鮮やかな景色でした。
第33番札所・雪蹊寺には、浦戸湾を横切る渡船を使っていくことにしました。前回は眺めのいい浦戸大橋を経由しましたけど、遍路道としては渡船の方が長い歴史を持ちます。四国八十八ヶ所を巡拝する現在のような歩き遍路の歴史は室町中期ごろまで遡ることができます。江戸時代になると、八十八ヶ所を巡拝するかたちが定着し、浦戸湾の渡船はそのころから使われていました。
渡船は現代でも地元の足として活躍しています。1時間に1本の頻度で種崎ー長浜間を往復していて、自転車や原付バイクに乗った地元の人たちや歩き遍路のような歩行者が利用しています。料金は無料で、地元の暮らしにしっかり溶け込んでいる感じです。わずか10分足らずの短い船旅ですが、とっても楽しいので、歩き遍路のときは、ぜひご活用ください。
雪蹊寺では、事前に連絡しておくと快慶作の御本尊・薬師如来像を拝観できるそうですが、またの機会となりました。拝観した方によると、本当に素晴らしい仏像だそうです。
納経所が閉まる午後5時を意識しながら、第34番札所・種間寺に向かいました。青空の下、早春の高知平野を歩くと、ひんやりした風が気持ちいいですね。種間寺に着き、ゆっくりとお参りしたところで、本日はタイムアップとなりました。
宿泊先は種間寺から2kmほど歩いた「はるのの湯」です。早春の土曜日のためか、高知市近郊の宿はけっこう混んでいて、たまたま空いていたのはラッキーでした。歩き遍路の平均的な宿泊費を考えると、少し予算オーバーですけど、とても快適な宿です。サウナ風呂にじっくり入って、本日の疲れを絞り出してしまいました(笑)
※カメラを忘れた失敗談「カメラが戻ってきた話」
https://ohenro-online.com/tosa-ed/camera_return/
※遍路道と自分の現在位置が一目でわかる 地図アプリ
「これは使える歩き遍路にぴったりの登山用地図アプリ
https://ohenro-online.com/guide/yamap_for_henro/
※浦戸湾の渡船「長浜種崎間県営渡船のご案内」
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/170106/tosen1.html
[歩いた日]2019.3.9
[天気] 晴れ
[コース] 高知市内(とさでん)ー文殊通駅ー第31番札所・竹林寺ー第32番札所・禅師峰寺ー種崎ー(渡船)ー長浜ー第33番札所・雪蹊寺ー第34番札所・種間寺ーはるのの湯
[歩いた距離] 28.3km 39,032歩