カテゴリー: 土佐編

カメラが戻ってきた話

今回の忘れ物はショックでした。高知市内のホテルでチェックアウトしようとしたら、愛用の「カメラがない!」。思わず、血の気がひきました。前日の夕方に乗ったとさでん交通に電話したところ、「白いカメラでしょ。事務所にありますよ」。とっても温かい対応でした。遍路旅って、本当にいろいろなものをいただきます。

高知市を目指すワンデイ歩き遍路

第28番札所・大日寺から歩き始めると、夕暮れには高知市内に着くことができます。途中、第29番札所・国分寺では奈良時代の面影をしのびつつ。逢坂峠を越えて高知市内に入ると、まもなく第30番善楽寺です。前日の真っ青な海が広がる遍路道は一変し、高知平野の田園風景をたどるワンデイコースです。

南国高知 厳かな冬の海

遍路道の朝、暗いうちから海沿いの道を歩いているとだんだん周囲が明るくなり、南国高知の海がゆっくりと姿を現しました。独特の厳かな雰囲気を持つ冬の海を眺めながら、歩き遍路を堪能しました。

神峯寺に続く「まったて」

第27番札所・神峯寺に続く遍路道は標高差450mを直登することから「まったて」と呼ばれてきました。十一面観音菩薩の霊験を求める人々は険路を厭わず参拝したのです。霊験譚はいまも四国のあちこちに生きているように思えます。

空海降誕祭の室戸岬を逍遥

修行時代の空海の足跡をたどる今回の歩き遍路は室戸岬がファイナルとなりました。しかも、きょう6月15日は弘法大師空海の誕生日として真言宗の寺々がお祝いする降誕祭の日。室戸岬の札所には弘法大師の誕生日を祝う法要やお接待が展開されていました。

辺地修行を偲ばせる海辺の難所

海の遍路道にも難所はあります。伏越の鼻から続く岩だらけの無人区間は、海岸線からそのまま急傾斜になって山にせり上がっていく地形のため、道らしい道がありませんでした。かつての歩き遍路たちは、干潮時に飛び石をしながら室戸岬を目指したそうです。