阿波編

 阿波国(現在の徳島県)は四国八十八ヶ所のお遍路さんにとって「発心の道場」と呼ばれます。スタート地点となる第1番札所・霊前寺から第10番札所・切幡寺まで、ほどよい間隔で札所が置かれており、歩いてみると1泊2日でちょうどよい距離です。初めて歩き遍路に踏み出すお遍路さんにはぴったりのところです。

 歩き遍路の3日目には、最初の難関である焼山寺道の遍路ころがしが待っています。長い険しい山道を歩き通して第12番番札所・焼山寺にたどり着いたときの達成感は格別です。続いて、遍路道はいったん徳島市街に降り、南に向かって第20番札所・鶴林寺と第21番札所・太龍寺で再び遍路ころがしが待っています。

 弘法大師空海の修行地として知られる山中を歩き通して南下を続けると、やがて太平洋に飛び出します。ここからは海沿いに長い道のりを歩き、やはり弘法大師空海が神秘体験を得た修行地として知られる室戸岬を目指すことになります。

【第1日 午前の部】遍路用品 「爆買い」で失敗
 東名高速の工事渋滞で夜行バスが遅れたため予定の列車を逃してしまい、いきなり波乱含みのスタートになりました。第1番札所・霊山寺では、遍路用品をあれこれ買いすぎてしまって失敗。ともかく四国八十八ヶ所巡りが始まりました。 

 

【第1日 午後の部】初めてのお接待
 雨でずぶ濡れ、荷物も重くて…。お遍路初日に早くもネガティブ思考になってきたところに、地元の方がわざわざ車を止めて、生姜糖をお接待してくれました。優しい甘みで、心のゆとりまでいただいた気がします。
[歩いた日]  2016.9.28

[コース]   JR徳島駅ー(鉄道)ー池谷駅ー第1番札所・霊山寺-第7番札所・十楽寺
[天気]    曇りのち雨
[歩行距離]  22.9km
[歩数]    31,021歩


【第2日】お遍路泣かせの雨は続く
 昨日に続き、雨降りの歩き遍路。落ち着いた雰囲気の熊谷寺や納経所で心配りをいただいた法輪寺、山寺の風情を持つ切幡寺などを回りましたが、びしょ濡れなので、どうにも気分は盛り上がりません。
[歩いた日] 2016.9.29

[コース] 第7番札所・十楽寺-善入寺島-第11番札所・藤井寺
[天気] ほぼ雨
[歩行距離] 19.8km
[歩数] 25,903歩


【第3日 午前の部】古道を伝える焼山寺道

 藤井寺から焼山寺を結ぶ山岳ルートは「遍路ころがし」の代表格。アップダウンの連続がけっこう厳しいけれど、長い時間をかけて踏みしめられてきた古道の面影を味わえます。

 

【第3日 午後の部】善根宿のハプニング
 地元の人たちがお遍路さんをお接待する気持ちから生まれた善根宿に初めて泊まりました。同宿者は4回目の遍路旅だというオーストラリア男性。偶然の出会いも遍路旅の楽しさです。
[歩いた日] 2016.9.30
[コース] 旅館吉野ー藤井寺-焼山寺ーすだち館
[天気] 曇り
[歩行距離] 24.1km
[歩数] 31,741歩

 

【第4日】玉ヶ峠を越えバスに乗る
 王ヶ峠を越えたあたりで急に歩行が遅くなり、全行程を歩き通すことをあきらめてバスや電車を使いました。残念な気持ちもありましたが、なにより車道で軽トラックに泥はねを飛ばされるような歩き方が嫌で…。なんだか気が楽になりました。
[歩いた日] 2016.10.1

[コース] すだち館-玉ヶ峠ー阿川ー駒坂峠-広野ー(バス)ー大日寺―井戸寺-(鉄道)ー徳島市中心部
[天気] 曇り時々晴れ
[歩行距離] 30.3km
[歩数] 4万665歩

 

【第5日】義経が駆け抜けた弦巻坂
 ここ数日の疲れから歩行距離を短くしたくなり、徳島駅からバスで恩山寺へ行き、源義経が駆け抜けた古い坂道を歩きました。バスから車窓を眺めていると、旅情が湧いてきます。公共交通機関とお遍路さんの相性もいいようです。
[歩いた日]2016.10.2

[コース]徳島市中心部-(バス)-恩山寺―立江寺-(鉄道)-徳島駅-(バス)-ふれあいの里さかもと
[天気]曇りときどき晴れ
[歩行距離]9.4km
[歩数] 1万2467歩

 

【第6日】台風一過 山寺をたどる
 鶴林寺と太龍寺という2つの山寺は若き日の空海が修行した場所として有名です。抜けるような青空、ちぢれ雲、緑の深い山々、水量豊かな川ー。汗が噴き出す登坂路にしぼられながらも、山の遍路道を歩く楽しさを味わいました。
[歩いた日] 2016.10.6

[コース]  JR徳島駅-(バス)-生名-鶴林寺-太龍寺-(ロープウェー、バス)-大根峠-平等寺-JR新野駅-(鉄道)-JR日和佐駅
[天気]   晴れ
[歩行距離] 19.8km
[歩数]    3万2064歩

 

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