マイペース遍路のススメ

 四国八十八ヶ所の巡礼ルートは全長1200kmを超える長丁場。すべてを歩くのは体力的にも日程的にも相当ハードルが高いです。そこで歩き遍路を楽しみつつ、電車やバスを上手に組み合わせる「マイペース遍路」をオススメします。

 四国八十八ヶ所を巡礼するお遍路さんは、やっぱり歩いてこそ、その醍醐味がわかると思います。延々と続く山道や海岸線を歩き続けるうちに、だんだんランナーズハイのような状態になって、あれこれ思い悩んでいたことが吹っ切れていくような、不思議な感覚になることがあります。見ず知らずの地元の方々に予想もしないタイミングでごく自然にお接待していただき、心を洗われるような体験をすることもあるかもしれません。

 これらは歩き遍路を経験したひとたちが異口同音に話してくれるお遍路の魅力です。幸運なことに、私もこうした体験をすることができたひとりです。第82番札所・根香寺から草深い遍路道を歩きます

 けれども、こうした体験は1200kmを超える四国八十八ヶ所の巡礼ルートすべてを一気に歩く「通し打ち」でなければ得られないというわけではありません。遍路道では、時間的な制約と自身の体力にあわせて巡礼ルートをいくつかのパートに分けて順次歩いていく「区切り打ち」を続ける方にもよくお会いしました。自分ができる範囲で巡礼を続けるというのが、お遍路の流儀なのだと思います。

 私の場合、25日間かけて歩き遍路ルート1200kmのうち、約520kmを歩き、残りを路線バスや電車で移動しました。この方法であれば、人それぞれの体力や時間的な制約にあわせて四国八十八ヶ所を回ることができる一方、魅力的な区間を自分の足できちんと歩くことで歩き遍路の楽しさも十分に味わえます。まさにマイペースで四国八十八ヶ所を巡礼することができ、登山やハイキングなどアウトドアが好きで団体行動に縛られることが苦手な私にはぴったりの方法でした。

 ただ、首都圏に住む私は四国にまったく土地勘がなく、公共交通機関の情報を探すのにかなり苦労しました。どこにどんな路線のバスが走っているのか、それをお遍路さんがどのように活用できるのか、地元の事情に疎い私にはなかなかわからなかったのです。

 路線バスや電車の時刻表や路線図を調べようとしてもWEBサイトや連絡先が運営会社ごとにバラバラで検索に手間がかかり、なかにはスマートフォンに対応していない会社もありました。体験的なノウハウをまとめたサイトもあまり見当たりません。そこで、私自身の体験とノウハウをこのブログで紹介しようと考えました。

 コンテンツの一覧はサイトマップをご参照ください。WEBサイトや連絡先などのノウハウは順次充実させていきたいと考えております。

 

Share

おすすめ