足摺岬へ(1)歩き続けた国道56号線

 高知・窪川の第37番札所・岩本寺から足摺岬にある第38番札所・金剛福寺まで遍路道を歩くと、足摺岬の東岸経由で80.4kmあります。足摺岬の西岸を経由すると少し遠回りになって85.0kmになります。いずれにせよ、四国八十八ヶ所で札所と札所の間隔がもっとも広い区間です。

橘橋付近から市野瀬方向を振り返ってみました。足摺岬への遍路道は国道56号線に沿った単調な車道歩きから始まります。

  この岩本寺ー金剛福寺の間を歩き遍路の多くは2泊3日で踏破します。第1日目は、窪川から黒潮町まで交通量の多い国道56号線をひたすら歩き続けることになります。窪川を出てしまうと、4、5時間後に土佐佐賀に着くまで、コンビニや商店がほとんどありません。ちなみに窪川の次にあるコンビニは土佐佐賀の手前にあるローソンで、その並びに道の駅なぶら土佐佐賀があります。窪川をでるときに、軽食や飲料、菓子類などの準備をお勧めします。

 このルートは道に迷う恐れはまずありません。ひらすら国道56号線を乗用車やトラックにあおられながら歩き続けるだけです。歩き遍路用地図「四国遍路ひとり歩き同行二人」によると、片坂峠付近に市ノ瀬遍路道があるはずなのですが、私は入り口を見落としたようで、国道をまっすぐ歩いてるうちに気がついたら市野瀬まで着いてしまいました。橘川地区に地元の方による接待所があり、通りかかると男性が声をかけてくださいました。私はおいしいドリップコーヒーをいただきました。

佐賀公園から東を望む。やはり高知の遍路道は空と海の霊場だと改めて感じました。

 土佐佐賀に着くと、風景は一変します。伊与木川を渡って坂を登り、鹿島が浦を越えると、佐賀公園が目の前に現れます。正式名称は土佐西南大規模公園というそうです。国道のすぐ近くに展望台がいくつかありますので、ぜひ、足を運んでください。黒潮が打ちつける大海原の大展望が楽しめます。西に目を向けると、目指す足摺岬が遠くにかすんで見えました。沖合いにクジラが泳いでいることもあるそうです。

井ノ岬トンネルを抜けると、有井川に着きます。このあたりから土佐入野にかけて民宿やホテルが点在しており、歩き遍路の宿泊エリアになっています。私も午後5時前には宿に到着し、明日に備えることにしました。

[歩いた日]2019.3.14 木曜日
[天気] 晴れ やや寒し
[コース]第37番札所・岩本寺(宿坊泊)ー国道56号線ー市ノ瀬ー伊与喜ー土佐佐賀ー佐賀公園ー井ノ岬ー有井川ー大方(民宿みやこ泊)
[歩いた距離] 34.5km   43,469歩

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