作成者: いもがい
桜遍路(1)大岐海岸から再び歩き出す
首都圏の緊急事態宣言が解除された3月下旬、2年ぶりに高知・大岐海岸から歩き遍路を再開しました。地元のみなさんから笑顔で迎えていただき、ほっとした気分。遍路道は、いつものように続いています。
コロナ禍の歩き遍路
3月末から4月初めにかけ、足摺岬近くの大岐海岸から宇和島まで、桜の遍路道を歩いてきました。コロナ禍の終息が見えない中、お遍路さんに行ってもいいか迷っている方も多いかと思いますが、歩き遍路の数は徐々に増え始めています。もちろん地元のみなさんの笑顔と心配りはいつものままでした。
歩き遍路の断念から半年 再開へ募る憧憬
大岐海岸で前回の歩き遍路を終えてから1年半。実は今年2020年3月に再び歩き出そうと思って、飛行機や数日分の宿の手配までしたのですが、新型コロナウィルスの感染拡大で直前に断念しました。それから半年が過ぎ、ウィズコロナの日常が定着する中、「そろそろ歩きたいなあ」という気持ちが募っています。
東寺展:金銅舎利塔が伝える空海の演出力
東博で開かれていた東寺展で、空海が長安から将来した金銅舎利塔の実物をみました。後七日御修法で道場の中央に置かれる象徴的な仏具で、空海の密教が釈尊以来の正統性を背景に、国の安寧と皇室の弥栄を祈るという劇場装置の凄みが伝わってきました。空海が持ち帰ったと伝わる仏舎利は後世にも騒動を起こします。
足摺岬打ち戻り余話 現代のアジール体験
歩き遍路を終えて東京に戻る朝、事務所も自宅も引き払って遍路旅に出て「55歳の地図」を書いた漫画家、黒咲一人さんと歓談しました。行くあてのない遍路旅の末、ここで仕事をみつけた男性の話も聞きました。遍路道には、一時的に社会に居場所を見つけられなくなったひとが緊急避難できるアジールのような聖地空間がいまも実在するのかもしれません。最後に印象深い出会いがありました。