町石道を歩く(4)浄土に向かう舞台装置
町石道は麓の九度山から高野山まで6、7時間かかるロングコース。単調な道のりに疲れが出てきたとき、頼りになるのが一町(107m)ごとに置かれた町石の存在です。随筆家の白洲正子が「これこそ本物の『参道』の名にふさわしい」と記した祈りの舞台装置です。
町石道は麓の九度山から高野山まで6、7時間かかるロングコース。単調な道のりに疲れが出てきたとき、頼りになるのが一町(107m)ごとに置かれた町石の存在です。随筆家の白洲正子が「これこそ本物の『参道』の名にふさわしい」と記した祈りの舞台装置です。
町石道を登る途中で、随筆家・白洲正子の「かくれ里」で知られる天野の里に寄り道しました。世界遺産に指定されている丹生都比売神社は高野山を空海に譲った土地神さまで、端正な社殿が魅力です。
高野山へふもとの九度山・慈尊院から歩いて登る町石道。空海が開いた高野山の表参道といっていい山道です。実際に歩いてみると、3分の1が平坦な道で荷運びなどに便利なように工夫された道筋でした。途中の展望台からは紀ノ川を見下ろす絶景が! 空海もきっと眺めたはず。
四国八十八ヶ所の巡礼ルートは全長1200kmを超える長丁場。すべてを歩くのは体力的にも日程的にも相当ハードルが高いです。そこで歩き遍路を楽しみつつ、電車やバスを上手に組み合わせる「マイペース遍路」をオススメします。
台風が過ぎ、いわし雲が広がると、秋の深まりを感じます。四国八十八ヶ所第34番札所・種間寺は弘法大師空海が唐から持ち帰った五穀の種を蒔いたと伝わっており、その名の通り高知平野の豊かな実りを感じさせるお寺です。