桜遍路(1)大岐海岸から再び歩き出す
首都圏の緊急事態宣言が解除された3月下旬、2年ぶりに高知・大岐海岸から歩き遍路を再開しました。地元のみなさんから笑顔で迎えていただき、ほっとした気分。遍路道は、いつものように続いています。
高知:修業の道場(24-39番札所)
首都圏の緊急事態宣言が解除された3月下旬、2年ぶりに高知・大岐海岸から歩き遍路を再開しました。地元のみなさんから笑顔で迎えていただき、ほっとした気分。遍路道は、いつものように続いています。
大岐海岸で前回の歩き遍路を終えてから1年半。実は今年2020年3月に再び歩き出そうと思って、飛行機や数日分の宿の手配までしたのですが、新型コロナウィルスの感染拡大で直前に断念しました。それから半年が過ぎ、ウィズコロナの日常が定着する中、「そろそろ歩きたいなあ」という気持ちが募っています。
歩き遍路を終えて東京に戻る朝、事務所も自宅も引き払って遍路旅に出て「55歳の地図」を書いた漫画家、黒咲一人さんと歓談しました。行くあてのない遍路旅の末、ここで仕事をみつけた男性の話も聞きました。遍路道には、一時的に社会に居場所を見つけられなくなったひとが緊急避難できるアジールのような聖地空間がいまも実在するのかもしれません。最後に印象深い出会いがありました。
第38番札所・金剛福寺の宿坊で一夜を過ごし、翌朝、足摺岬から荒々しい断崖が続く西岸ルートで打ち戻りました。大岐海岸では、小川の真水と打ち寄せる波が太陽光線に輝き、透明感あふれる世界を満喫。足も疲れ、精神的にも充足感が高まり、希望退職への応募をきっかけとした今回の歩き遍路を終えることにしました。
最果ての足摺岬を目指す歩き遍路80kmの3日目は、民宿の玄関前から眺めたすばらしい朝日とともにスタートしました。砂浜の遍路道や透き通るような磯浜に魅了されながら、最後は一心不乱にひたすら歩き続け、やっと足摺岬と第38番札所・金剛福寺にたどりつきました。
足摺岬を目指す3日間の歩き遍路。2日目は黒潮町大方で朝の海を眺め、入野松原で静かな松林を歩き、大迫力の四万十川に圧倒されました。午後には伊豆田峠の古道から江戸時代に遍路道を整備した僧侶の名前をとった真念庵で往時を偲び、盛りだくさんの内容でした。