【第2番札所 極楽寺】 安産願うお大師さまがおわします

《アクセスガイド》

 遍路姿に身を固め、第1番札所・霊山寺から歩き始めると、20分あまりで第2番札所・極楽寺に着きます。道筋は県道12号線をまっすぐです。Google Mapでみると、この県道12号線には「撫養街道」という別名もありますが、これは難読地名なので県外者にはまず読めません。「撫養」と書いて、「むや」と読むそうです。

 いずれにせよ、一本道です。迷う場所もありません。途中にはコンビニもあり、イートインスペースでコーヒーを飲んだりできます。

 県道12号線には路線バスも走っています。徳島バス・鳴門大麻線で、霊山寺から極楽寺までバス停4つ分です。10分足らずで着きますが、バスの運行は2時間に1本です。JR四国の最寄り駅はJR高徳線の阿波川端駅ですが、霊山寺からJR坂東駅に行き、1駅分だけJR高徳線に乗って阿波川端駅から極楽寺まで戻るようになるので、かえって時間がかかってしまいます。

《体験型札所紹介》 第2番札所・極楽寺は「安産大師」で知られる札所です。本堂でお参りを終えて、大師堂に向かうと、その手前に赤ちゃんを思わせるお地蔵さまが祀られています。真っ赤なハートマークの上着とおそろいの座布団に包まれたお地蔵さまは、いかにも「インスタ映え」しそうなかわいらしさ。その脇には、鮮やかな赤いお守りと絵馬がたくさんぶら下がっていました。無事に出産を終えたひとが安産のお守りに絵馬を添えて奉納するそうです。

 弘法大師が安産祈願の対象になるのはあまり例がないと思うのですが、ちゃんと説明板に由来が書いてありました。寺伝には、弘法大師が極楽寺に立ち寄ったとき、難産に苦しむ女性が弘法大師の加持によって無事に出産した、との伝承があるそうです。明治時代のエピソードもあります。難産に悩む女性が夢の中に現れた弘法大師に四国遍路を勧められて巡拝を始めたところ、極楽寺にきたときに産気づいた。そのとき、弘法大師からそのまま遍路を続けるようお告げがあり、結願して自宅に帰ったところ、無事に出産できた、という話があるそうです。感激した女性は安産大師像を奉納し、それがいま大師堂の前にある大師像だということでした。

 そんな物語もあって、ここでは弘法大師はすっかり安産祈願のお大師さまになっています。境内には幼児を抱いた大師像がいくつも奉納されていて、いまも篤い信仰を受けていることがうかがえます。

 極楽寺のご本尊は阿弥陀如来で、仏像の放つ後光が明るすぎて鳴門沖にまで達し、魚が逃げてしまうので、困った漁民たちが本堂の前に小山を築いて光を遮った、という言い伝えがあります。四国八十八ヶ所霊場には阿弥陀如来をご本尊とする札所がたくさんあります。四国霊場と阿弥陀如来の関係について宗教民俗学者の五来重は著書「四国遍路の寺」(角川ソフィア文庫)で、阿弥陀如来が航海の安全や豊漁を願う海洋信仰と結びついているからではないか、との見解を示しています。

 阿弥陀如来は平安中期ごろから浄土信仰が盛んになると浄土に導いてくれる仏様として絶大な信仰を集めますが、それ以前はもともと海洋信仰と関係があったのではないか、という五来の指摘は興味深いですよね。四国遍路の成り立ちを考えるとき、その前身として海岸線を歩いて回る「辺地」(へじ)信仰を指摘する専門家は多く、そうした海洋信仰の名残は四国八十八ヶ所にはいまも点在しています。五来は徳島県の内陸にある極楽寺に阿弥陀如来が祀られているのもそうした海洋信仰の痕跡のひとつではないか、と著書の中で説明しています。五来重や辺地信仰についてはブログ「お遍路の成り立ち」で、ざっくりまとめていますので、ご一読ください。

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 初めてのお接待    http://ohenro-online.com/awa-ed/osettai/

 お遍路さんの成り立ち http://ohenro-online.com/knowledge/beginning_of_ohenro/

[公共交通機関]

 徳島バス 鳴門大麻線 (ページ下方の「鳴門市協定路線」をご覧ください)
    http://tokubus.co.jp/wptbc/routebus/

[お宿情報]

 極楽寺には宿坊があります。

info.

名称: 日照山 無量寿院 極楽寺

宗派: 高野山真言宗

本尊: 阿弥陀如来

真言: おん あみりた ていせい からうん

霊場会HP: http://www.88shikokuhenro.jp/tokushima/02gokurakuji/index.html

住所:   徳島県鳴門市大麻町檜字段の上12

電話:   088-689-1112

駐車場:  40台

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